ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

モノノフボーイの憂鬱①

私と甘木とモノノフボーイは萩の街をレンタサイクルで疾走していました。

 

「見よ。甘木、モノノフボーイよ」

「「はあ」」

「この『一文字に三つ星』こそが毛利の旗印である」

「はあ」

と甘木はなんともいえない声を出しました。

「あ、これ見たことありますね。三本の矢の逸話の毛利家ですよね。関ケ原合戦に負けて、萩に国替えされたんですよね」

「そうである。さすがはモノノフボーイ。素養があるな」

 

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「城跡であるな」

「なんもないっスね」

「うむ。城とは往々にしてそんなものだ」

 

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「さあみるがよい、これが、国替えになる前の大友氏の家紋であり、右のものがその後の毛利家のものである。こう並べられると、歴史を感じるだろう」

「そっスか?」

 

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「続いて、明倫会館」

「あ、ここ知っています!」

「はあ」

と甘木はやはりさえない顔をしています。

 

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「とどめはこれだ!」

 

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松下村塾である!」

「あ、吉田松陰ですね!」

「そうだーモノノフボーイ! 優秀である」

「え、きみ幕末すきなの?」

「父の書斎にあった『世に棲む日日』を高校の時に読みまして」

「『世に棲む日日』司馬遼太郎先生の最高傑作と言って過言ではない名作である。すばらしいチョイスだモノノフボーイ!

(というより、私もあれを読んだから萩に着たかっただけで、他はそんな詳しくないんだよなここだけのはなし)

 

世に棲む日日(一) (文春文庫)

世に棲む日日(一) (文春文庫)

  
世に棲む日日(二) (文春文庫)

世に棲む日日(二) (文春文庫)

 

「あれは面白いですね」

「うむ。間違いない。個人的には、『竜馬がゆく』より断然こっちだと考えている。知っているか甘木よ?」

「知らねえっす」

吉田松陰と高杉新作の生涯を描いた、司馬遼太郎晩年の名作である。一番筆に脂がのっている時期の大作であるぞ」

「はー、そら、よかったっネね」

(すこしは興めよ、甘木、、、)

 

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「これは伊藤博文の実家である」

「はあ」

「ふーん」

(これはモノノフボーイすら興味ないか、、、まあ、私もそこまで興味ないけど)

 

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「そしてここが、吉田松陰が生まれた場所である」

「見晴らし良いっすねー」

「、、、もう、疲れたんスけど」

「うむ、、、宿に戻るか」

 

かれこれ、萩市内を5時間自転車で走りっぱなしでありました。

 

 

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「疲れたな」

「そっすね」

 

私と甘木とモノノフボーイは三人で、rucoのキッチンでお水を飲みながら、晩飯をどうするか考えながら休憩をしていました。

 

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「あの遠くの山まで、お城跡やら、毛利の志筑神社観に行ったりしてたんだな」

「感慨深いっスね」

「でも、萩市は意外に面白かったです」

「あ、そう? そういったもらえると嬉しいなあ」

 

彼の名はモノノフボーイ。ナイキのスニーカーをはいている。実はここへくるとき同じ鈍行列車に乗っていた彼である。彼は一人旅の最中で昨日広島観光をしていた。そして明日、福岡で、ももいろクローバーZのライブがあるらしかった。しかし、一日余ったので、深いことを考えずに萩に来てみることにしてみたらしかった。そして、漆黒の鈍行列車内で私と天木よろしく絶望に浸っていたらしかった。

 

「君の本番は、明日だもんな」

「そうですね。でも昨日のアコースティックライブも良かったですよ」

 

 〓〓〓 昨日のライブの様子 〓〓〓

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「あれはよかったっスね」

――ギュルルルゥァァァゥ!

「お腹すきましたね」

例によって甘木のハラが鳴りました。

「甘木よ」

「え、オレじゃないっすよ」

「あ、いまのぼくです」

「え、そうなの?」

「はい、、、すごい音出るんですよ。昔から。すみません」

「いや、甘木もすごいからぜんぜんどっちでもいいんだけどさ」

ーーグルルルッギュッギュー。

「また鳴ってるなww」

「センパイ、いまのはオレっス」

と甘木。

「、、、どっちでもいいわ。とかく、腹減ってるのね。ご飯食べ行くか」

「「はい!」」

ーーグュッルルルゥァァッギュー!

もはやどっちでもよい。

 

 

次回、猛獣のように腹が鳴りまくる二人を連れて、店長オススメのスナックみたいなお店で激安海鮮丼を食べ、萩の美酒に酔いしれる。萩最終夜、こうご期待!

誰に求められるでもない物語は続く。。。

 

〓〓〓 次回 〓〓〓

 

 ↑ 次回 ↑

 

 

〓〓〓  萩・広島旅行まとめ 〓〓〓

【まとめ】 楽しく萩・広島観光してきた ~西新宿にて後日談~ 

 

 

 

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