読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

旅の後半。広島へ突入 ~聖地尾道、宮島、ゲストハウスroku~

 

 

宮島は厳島神社へ来ています。

 

 

f:id:dongurime:20150426200122j:plain

 

っスね」

だな」

「てか、あの辺とか、ものすごい、床上浸水してるんスね」

「うむ。床上浸水する前提の物件だから、あれでいいんだ」

「そーなんスか?」

「ほら、床板に隙間が空いているだろう?」

「あ、そっスね。なんでなんスか、これ」

「海水が上がってきたらこの隙間から海水が入ってくるんだわ」

「へー」

「そうしないと、板が浮いちゃうだろ?」

「あー」

「で、もし壊れたら都度修理するんだろう」

「大変っすね」

「いいんだ。壊れる前提だから、それで。神社側も覚悟はできているはずだ。こうして海中にあって、歴史があって美しいから世界遺産なのだ」

「苦労の元は取ってますね」

「そういうことだ」

 

f:id:dongurime:20150426200844j:plain

 

「赤色が生えますね」

「赤ってか、朱色だろ」

「そっすね。お狐さまの神社みたいっスね」

厳島神社の総本山だから美しくないとな」

「そういや、うちの近所にもありますね。厳島神社

「うむ。ここが本家本元なのだね」

 

厳島神社の美しさに満足をした私と天木は、神社を出て、傘を差し、参道を歩き始めました。しかし、その私たちの歩みはすぐに行く手を阻まれました。

シカめっちゃ怖かったからでした。

 

f:id:dongurime:20150426210324p:plain

 

に私たちの行く先で、立ち上がった二匹のオス鹿が前足でお互いをガンガン蹴り合っていました。

立ち上がった鹿は私よりも大きく、「まあまあまあ」など止めに入ったところで甘木もろとも蹄で一蹴されて大あざ作って気絶することになるのでしょう。そして、雨の中、鼻血を流しながら気絶する我々を、紅葉まんじゅうを食べ歩くセレブ達に「汚い紅葉ね」などを憐れまれることにになるのでありましょう。

 

引き返しました。すると、その先に、水族館がありました。宮島水族館でした。

f:id:dongurime:20150426213017j:plain

「はー、すげー数のイワシっすねー」

「食えるのか?」

「これはカタクチイワシなんで、煮干しにしかなんないっすね」

「へー」

 

釣りをする甘木は魚類に詳しいのですが、今回のような安物の魚の場合にはテンションは控えめでした。さかなクンとの違いは、魚を分け隔てなく愛する態度でしょうか。甘木の魚に対する偏見はすごく、甘木は安物は愛しません。

 

「次行くか」

「そっすね。これはおれ釣りたくないっす」

 

暗いブースに移りました。すると、

「あっ! センパイ! タチウオっす! 立ち泳ぎしてるのがいます!」

f:id:dongurime:20150426213640j:plain

 

「タチウオって、本当に立つんすね! いやー、おれ感動っす!」

「、、、そうか。ヘビみたいだが、美味いのか? これ」

「おれはちょくちょく食べます。あっさりした白身で美味いっす。塩をしてちょっと水を抜いてから焼くと美味いっす。この名前の由来には2説があって、立ち泳ぎをするからタチウオ、という説と、刀みたいにピカピカして綺麗だから太刀魚(タチウオ)の二種類説があるんス」

「、、、そうか」

「いやー、テンション上がりますわー」

 

甘木は厳島神社ばりにテンションをあげていました。私はそうでもありません。

 

「あっ! センパイ! これもすごいっす!」

f:id:dongurime:20150426214804j:plain

 

「すげー数のウマヅラっす!」

「ひどい名前だな」

「正式にはウマヅラハギっす。本カワハギより味は落ちますが、肝が美味いんスよねー、いやー、釣りたいっす!」

「、、、そうか」

「肝醤油で食うとうまいんすよねー。あ、あ! すごい! メバルが牡蠣の殻の上で休んでますよ! さすが根魚ですね!」

「よかったな」

「よかったっす! 宮島、いいとこっすね!

 

宮島まで来てここまで魚でテンションをあげる御仁も珍しいと思うけれど、私は私で厳島神社の美しさにけっこうテンション上がっていたのでまあ良いことにしました。

 

 

 

 

 

次は、尾道に来ています。

f:id:dongurime:20150426235827j:plain

 

「カ・ミ・チュー!」

「どうした、甘木」

「、、、いえ」

「ま、おれも知ってるんだけどね。そのアニメ」

「オレの場合は妹が見てたんス。それでなんとなく覚えてます」

 

 

 

移動中、甘木がスマホ尾道について調べていると、『聖地尾道』と呼ばれるほどに大量の映画やアニメ、漫画、エ〇漫画、エ〇ゲーの舞台になっていることがわかりました。

 

かみちゅ(アニメ)
・暗夜行路(志賀直哉
てっぱんNHK、朝の連ドラ)
・ふたり(原作:赤川次郎
・転校生(映画)
時をかける少女(映画)
ダ・カーポ(ゲーム)
・わたしを有明につれてって(💀×〇※)

 

「まだまだありますね、えーっと、、、」

「もういいんじゃないか? 変なのも交じってるし」

「そっすかね」

「さておき、あの船が良いっすね」

 

f:id:dongurime:20150427000738j:plain

 

「だな。あれにのって対岸の側まで通学するんだよな。尾道の女子高生たちは」

「それにしても、いい景色っすね

 

f:id:dongurime:20150427000857j:plain

 

「そうだな。圧倒的だな」

「おれ、ここ住みたいっす」

「わからんでもない」

 

そんなことを甘木と話していると、遠くの対岸からカンカンと金属を打ち付けるような音がし始めました。

 

f:id:dongurime:20150427001104j:plain

 

「クレーンがあるな。ドックが見えるな。造船か?」

「みたいっすね。製鉄と造船が盛んな地域みたいっす」

「重化学工業で栄えた街なんだな」

 

―――タタン、タタン、タタン、ファーーーン、タタン、タタン。

 

電車が通る音がしました。

 

―――ボゥーーーーーーーーーッ。

 

水道を通る船の汽笛もしました。

「『かみちゅ』のみしま様もこのあたりにいるんすかね」

「それはしらんが、それにしても、目に、耳に、豊かな街だね。尾道は」

「そっすね。近くから、遠くから、いろんな音がしますね」

 

風の音。猫がとなりでニャアとなく声。列車の音。溶接の閃光が見える向かいの造船場からの金属音。汽笛。下校途中の高校生の話声。そしてまたネコの声。 

 

「ほんと、いいとこっすねー。ここで、ずっとボーっとしてたいっす」

「だがそうもいっていられないぞ。お宿のチェックインの時間がある」

「じゃあ、いきますか」

 

そういって、私は先に階段を降り始めました。見晴らしがよい分、なにせ坂と階段の多い街でありました。すると、

 

「おあっ!」

 

後ろで声がし、甘木が足を踏み外したようで私は咄嗟に手すりを持ち腰を据え、いざとなれば甘木を受け止めようとしましたが、甘木は私と目が合った瞬間、階段にへばりつくようにして無様にその場に倒れこみなんとか転がり落ちるのを耐えました。

 

「あぶなかったな」

「びびりました。なんか、先輩と、目があった瞬間、このまま落ちてぶつかったら、『ふたり』よろしく入れ替わったりしたらやだな、っておもったら、思わず体が動きました」

「、、、なんかひっかかるな」

「なんつーか、センパイとは、あんま入れ替わりたくなかったんで」

「、、、おれの、どこが不満だ」

「なんか、その、とっつきにくいとこっスかね」

 

甘木が、階段にへばりつきながら私の欠陥をとつとつと述べています。仮にぶつかったら中身が入れ替わる前提として、性格まで入れ替わることはないでしょう。それよりも、なぜ私は、どこよりも美しいこの風光明媚な尾道の坂で、聞きたくもない、偏った甘木目線による、私の人として足りない部分や性格上の問題点など人格批判を、地べたにへばりついたままの甘木から聞かされなくてはならないのでしょう。いっそ、入れ替わってしまえば私の素晴らしさが甘木にも分かるかもしれない、と思いました。しかし、実際にやってみて「やっぱセンパイだめっすね」などと言われたら立ち直れない気もしました。

せっかく入れ替わるのなら、メガネの似合う年上のお姉さまがいいなあ、と思いました。そんな関係のない妄想をすることで、甘木に沸いた憎しみを脳内から追い出しつつ私は階段を下りました。

 

 

f:id:dongurime:20150427001734j:plain

 

―――ボゥーーーーーーーーーッ。

 

水道を、また次の船がゆっくりと通過しています。

美しい景色と共に、甘木への憎しみも霧散するかと思いきや、二・三日は根に持って覚えていました。

 

f:id:dongurime:20150427180801j:plain

 

〓〓〓 次回、広島にてついにマツダスタジアムに初入場! 〓〓〓

 ↑ 次回 ↑

 

 

〓〓〓  萩・広島旅行まとめ 〓〓〓

【まとめ】 楽しく萩・広島観光してきた ~西新宿にて後日談~ 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

 

 

鳴子ハナハルさんの絵は素敵です)

 

広告を非表示にする