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ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

全てがカレー味! 噂のカレー居酒屋『やるき』で飲んでみた  ~限りなくカレーに近いカレー~

読み物 グルメ

EDがちでな田島がカレー好だったので、新中野にあるトニーさんのカレー居酒屋「やるき」で飲むことにしました。

個々のお店の特徴は、とにかくすべてがカレー味なのでした。カレー味の焼き鳥、おでん、焼き魚、煮込み、モツ煮、唐揚げ、煮物その他もろもろとにかくすべてがカレー味。当然カレーもすごくカレー味。

 

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「田島、おまえ、なおったん?」

「なにが?」

ED

「ーーーだからEDじゃねえし!あれは偶然そうなっただけで、一時的なだけで、そもそもEDじゃねえし!

「『角野卓造じゃねえし』(Ⓒ近藤春菜)みたいだな。面白いなそれ」

「面白くねえよ!」

「え、でも、イー、、、」

ーーーだからEDじゃねえし!

彼はまだ自らを直視できていないが、EDはいつ訪れても不思議ではない現代の病。私も笑っていられるとは限らないのでこの辺にしておこうと思い、またキーマカレーを食べるのに戻ることにしました。

 

〓〓〓 多嶋がEDになったわけ 〓〓〓

〓〓〓 〓〓〓 

 

 

キーマカレーうまいな」

「うん。うまいわ。これ」

「あ、それ、やっぱEDでもわかる?」

ーーーだからEDじゃねえし!

「うまいなー。いくらでも食べれる」

「だな」

と言って田島はLARKに火をつけ、ふーと煙を吐き出し、カレー味オデンをパクッと食べました。

 

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私も、カレー味焼き鳥半分ほど食べ、「ハイ、おまたせしましタ!」とトニーさんがカレー味ホッケの塩焼きを出してくれました。私はビールを飲み、大島はウォッカラッシーを飲みました。

 

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トニーさんは、タモリ長者でありました。多店舗展開してるわけではないから長者というほどものすごい儲けではないかもしれないけれど、少なくとも席は満席、予約もいっぱい。お店も移転して、新しくて綺麗。店員のお姉さんも丸顔でカワイイ

店に来る前、fc2に転がってた動画を田島にも見せてやりました。タモさんが食べてたサバのカレー煮込みは今はないのかしらん。

 

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タモリ倶楽部見て来たんです」

田島が、トニーさんを目があったのを機に何か話しかけました。

「その話、トニーさんもうさんざん言われまくってるんだから、お前それいまさら言うなよ」

「ええやん。べつに。ねえ? トニーさん。タモさんは、どんな感じでした?」

 

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「別にかまいませんヨ。タモさんはね、シンプル。シンプルなヒト。シンプルで、素敵なヒト」

「そういえば、サインとかはないんですね」

「サインはもらえなかっタ。キリがなくなるからしないっテ。かわりに、写真撮ってもらっタ。こんな狭い店に、カメラが4台とか来て、大変だったヨ」

「そうなんですか!すごいですね。あんなシンプルな番組なのに、カメラそんなにあるんですね」

「そうだヨ。わたしも驚きましタ」

「もともと美味しかったから、なにかキッカケですぐ人気店になっちゃいますね」

「おかげさまデ」

といってトニーさんは笑った。

日本語めちゃめちゃ上手いけど、顔は完ぺきインド人なので、笑ってる顔は無邪気な笑顔にも邪悪な笑顔にも見えました。

私は、むかし神戸でカレー食べたときの絶対に釣銭を出そうとしないインド人のオッサンが、どうしても思い出されてしまうのでした。さもしい私の心の色相が黒々と濁っているからそんな風に見えるのですね。ここのくるのはもう3度目で、いつもいつも、トニーさんこんなにいい人なのに、いまだにそう見えるなど、私などさっさとエリミネートされてしまうべきであります。ED以下であります。

 

 

「このキーマカレーは、本場の味なんですか?」

田島が言い、私の暗鬱な思索は中断されました。ナイスED。

「本場の味でス。あ、でも、インドでは”カレー”とは言わないですけどネ」

「なんていうんですか」

「ご飯とか、おかずのことを、”カリ”といいまス」

「へー、味付けのことじゃないんですか」

「そうです。だって、インドの料理は、全部この味ですから。日本のお醤油みたいなものです。それと別ニ、全部名前がありまス」

「へー」

「相撲の料理の”ちゃんこ”と同じですネ」

「どーゆーことですか?」

といって田島は煙草の火を灰皿で消しました。

 

「”ちゃんこ”は鍋料理じゃなくて”ご飯”って意味らしいでス。今日のちゃんこは鍋、とかいうふうに使いまス」

「なるほど。焼き秋刀魚には醤油がつきものだけど、料理名に醤油とわざわざ入れないようなものですね」

「そうですネ」

 

なるほど、と思い私は頭の中でこの現象について整理してみることにしました。試しに、以下の文章を考えてみたいと思います。

  1. 今日のごはんはちゃんこ
  2. 今日のごはんはカレー
  3. 今日のごはんはカレーチャンコ

この1と2は「今日のごはんはごはん」の意味になり、3に関してなど「今日のごはんはごはん味のごはん」となることになります。

ごはん味のごはん。

 

ひどく哲学的な響きがします。

 

「ごはん」という一般名詞、個別的ではないひどく抽象的な概念を、それも自らのそれをなお保持した「ごはんの中のごはん」。

「男の中の男」に近い、ひどく感覚的な雰囲気。そもそも男であるにもかかわらず、その中でもより共通概念としての男の”イデア”に近い者が「男の中の男」。

では、「カレー味のちゃんこ」とは、「ごはんイデアに最も近いごはん」とはなにか。私にとってごはんのイデア、すなはち王道は、白飯とお味噌汁だと思う。それにサバの塩焼きがついていれば完ぺきだと思う。

 

 

結論がでた。

 

 

「カレー味のちゃんこ」とは、「サバの塩焼き定食」である!

 

 

「どっちみち、美味しけりゃ名前なんてなんでもいいですよねー。やー、このカレー味焼きサンマ美味いっすわー」

「だから、それだと、ごはん味のサンマになるよ田島くん」

「いやーカレーうまー。トニーさん、もう一回ビール!」

「はいよろこんデ!」

田島よ、お前にとっての”ごはんの中のごはん”、すなはち、『ごはんのイデア』とはなにかね? 私は、サバの塩焼き定食だ。貴君はなにかね」

すると田島はまた煙草に火をつけながら答えた。

 

「カレーかな」

 

「―――っ!?」

 

ごはんの中のごはんがカレー、すなはち、ごはんの中のごはんはごはんである。いや、カレーの中のカレーはカレーといっても過言ではない。

、、、あたいはもう考えるのが面倒になった。

 

 

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「カレーうんめー」

という田島の声だけがぼんやりと脳裏に響き、段々とイデアが云々など、どうでもよくなってきました。

 

 

【カレー居酒屋・やるき】

やるき - 新中野/居酒屋 [食べログ]

 

 

 

 

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