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ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

新宿ゴールデン街は、いろんな愛で溢れてた ~浮気、不倫、ゲイ疑惑~

新宿

ゴールデン街と言ったらこのラーメン。らしい。

24時間営業。らしい。煮干ラーメン、凪。

ゴールデン街初めてだからまだあんまり知らないけど有名らしい。

 

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◆前回のあらすじ◆

 

ペドロと共に「マサラタウン」から旅に出た私は、イワークを倒し、カビゴンを叩き起こしているうちに紆余曲折あって『新宿ゴールデン街』にたどり着いた。

そこで私とペドロは、新たなる敵を求めて周囲を索敵する。すると、ある店に手持ちのスカウターを向けた途端、ボンッという音と共に煙をあげてスカウターが破裂した。

「これから強ええヤツと戦えると思うと、オラ、ワクワクすっぞ」

そう言い放ったペドロは突如黄金色に輝き始めるのであった。

 

〓〓〓 前回 〓〓〓

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「ペドロ―、次どこいくー?」

 

私たちは先ほどのスペイン人まみれの店の前にいました。ドアは閉まっていて、中からは引き続き陽気な笑い声が聞こえました。

「選ぶのたいへんダヨ。チョーダリーゼー」

「ペドロ、チョー、とかどこでそんな言葉覚えんの?」

「お前が言ってたヨ」

「ああ、そっか」

「そうだヨ」

「なら許す」

「センパイありがとござマス!」

「うむ」

「センパイ」

「なにかね」

「どこイク?」

「……」
「ここでイイ?」

「どこ?」

「ここ」

といってペドロは出てすぐのところにある二階へ続く階段を外人らしく親指で指差しました。

 

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「あ、いらっしゃーい」

勇気を出してものすごく細くて急な階段を上ると、ピンク色のバーカウンターと間接照明。バーカウンターの中にはアラサーとおぼしきお姉さま。他に30前半くらいの男女のお客さんが一組。

 

「二人なんですが」

「どうぞどうぞー」

「ガイジンですガ」

「あははー、どうぞどうぞー」

 

細長い形をしたバーで、止まり木が全部で7席くらい。棚にたくさんお酒が並んでいます。お姉さんがカウンターの奥でしゃかんで何かを取り出そうとしていて、そのお姉さんのスラリとした背中の上あたりにある窓からは、絡まり合った電線と、向かいのバーの看板が見え、少しだけ開いた向かいの窓にはソファーに座って楽しげに何かを話す男性が見えました。

 

「君たちは、どーゆー仲間なの? ふたりとも日本語が上手い外国の人?」

「ボクはガイジンで、スペイン人で、コイツは日本人デス。大学の友だちデス」

「へえ、そうなんだ。外国の人と二人なんて珍しいね。ねえ、サッちゃん」

「かもしれないですね。はい、お通し」

 

と言ってサチさんと呼ばれたお姉さんが小さな木のお皿にポテトチップスのり塩味を入れてくれました。「なに飲みます?」と言われたのペドロはビールを、私はモスコミュールを頼みました。

 

「この辺り、ずいぶん外国の方も多いですね」

「そうなんですよね。ここにもたまにフラッと入って来られることありますよ」

「へー、英語いけるクチなんですか?」

「私はもうゼンゼン。ジェスチャーと雰囲気でなんとかしてます」

「それホントになんとかなってるのー?」

 

と常連さんらしき男の人がいいました。

 

「なってます! メイビー」

「ルー大柴みたい」

「ちょっとサノくん!」

 

私は面白くて少し笑いましたが、ペドロは意味がわからないようでビールをグイッと飲んでいました。初めてであろう私たちに気を使って話しかけてくれたお二人は、どうやら良い人のようでした。どうやらゴールデン街は人情の街なのであります。

 

「あなたたちはどうやってこのお店に来たの?」

 

サノさんと呼ばれた男の人の連れの女性が、サノさんの向こうからカウンターに身を乗り出して覗き込むようにして言いました。

 

「さっき成り行きでスペイン人の団体と飲むことになったんですが、お店に入りきらなかったので少し飲んでから僕らは離脱してそのまま隣のここに上がってきたんです」

「あー、隣の彼がスペイン人だから?」

「そうです。コイツが引っ掛けたんです」

「でも、あのスペイン人たち、ちょっとうるさすぎダネ」

 

とペドロが言うと、ガハハハ、と大きな笑い声が下の階から聞こえました。

 

「お二人は、よくこちらには来られるんですか?」

「俺はまあたまに来るかな」

「私は連れられて、ゴールデン街に来たのも今日が初めてなの」

「おー、オレたちと同じでスネ。初めてゴールデンだネ」

 

といってペドロがヒゲもじゃの顔で融和に笑いました。この2人は完全になにかあった仲だな、と思いました。聞いてみたいなー、と思ったけれど、気まずくなるのがなんとなく怖かったのでもう少し飲んだタイミングで聞いてみようかな、と思いました。

 

「オフタリは、ご夫婦でスカ?」

 

ワーオ、ペドロ。

 

「あっははは! 夫婦に見える?」

「あんまり見えないデス」

 

オーペードロー。

 

ペドロは笑っています。おそらくイロイロ分かった上で、外人キャラに満面の笑みを張り付けての地雷投下なのでありました。二人とも、どことなくセクシーで、指輪もしておらず、年は30前半くらい、多分普通ではなかろうなあと思っていると、

 

「今やちゃんと別で家庭も子供もあるのよ」

「そうそう。オレらも学生の頃からの付き合いでね、いまでもたまにこうして飲むんだ」

「ワーオ、いんもーらりれーしょんしっーぷ、ダネ」

 

ペドロよそこだけ英語で言ったからって、ごまかせるとは限らないよ。immoralなrelationって、そのぐらいの英語ならすぐ不倫て分かっちゃう。

 

「不倫というか、最近はもうそういうのじゃないから」

 

ばれてーら。

てか、最近はって、

もともとそうやったんかーい。

 

 

「そうそう。お互いの近況報告だね。子供が何歳になったー、とかそんなだよ」

 

生々しいっす。

 

「若い頃はまあ、イロイロあったけど、もう時効よ。ねえ?」

 

といって妖艶に笑うお姉さん。

 

「で、あなたたち二人はふたりは二丁目から流れてきたのかしら?」

「ええっ! ちがいますよ!?」「NOー」

「あらら、そうだと思ってたわ。ウフフ。ごめんなさいね」

 

違います。明確に。痔持ちの私にアナルプレイは絶対に無理ですとも。ええ無理ですとも。

 

「この店はLGBTの人、けっこう多いんだよ。ねえ、サッちゃん」

「ええ。私も女の子オッケーですよー」

「ええっ!」「アー、シー!(「なるほどー」的な意味のスペイン語。おそらく)」

「女の子って、柔らかくっていいんですよねーふふふ」

「スペインも、LGBTいっぱいいルヨ。あのさドングリ」

「なにさ」

「オレたち、大学で毎日飲んでだダロ?」

「うん」

「だからオレたち他の留学生からゲイカップルと思われテタヨ!」

「ーーーーーマジ!?」

「マジダヨー」

「オーマイ」

 

 

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夜は長く、誰に求められるでもない物語まだまだ続く。

 

 

〓〓〓 新宿ゴールデン街ルポ  まだ続く 〓〓〓

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