ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

新宿で一人、完全に有意義な休日を過ごした日のこと

ある朝、気がかりな夢から目ざめたとき、自分が松坂桃李に変ってしまっていた。などということはなく激しめの二日酔いでした。

いえ、なにも、松坂桃李でなくても、福山雅治でも、向井理でも全然よかったのだけれど、やはり、ただの二日酔いの私が、新宿区内の賃貸マンションで目覚めただけでした。蛭子能収にされていなかっただけよしと思うことにしました。

今日は日曜日でした。なので当然昨日は土曜日で、私はなにかと理由をつけては必ず土曜日にお酒を飲むので、しこたま飲むので、日曜日は11時ころに起き出します。昨日は宅飲みでありました。ソロで。一人で。

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昨日は、いつか食べた、福岡の「らるきい」の『ペペタマ』が美味しすぎたので自分で作ってみました。するとこれがなんでだか非常に上手くいってしまい、少し塩辛い上に妙に美味しいものですからお酒が進むこと進むこと。

 

 

日本酒がなくなり、

 

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赤ワインがなくなり、

 

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立派な二日酔いとなったのでありました。

 

さて、

 

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さて、二日酔いの日のブランチは、ラーメンであります。

 

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新宿でとりあえずなにか食べるとするならば、『博多天神』のラーメンか、『だるま』のキクラゲと玉子の炒め定食、と相場は決まっているのです。博多ラーメン食べるなら、当然、替え玉をします。替え玉時のテイスト・チェンジは多めの辛子高菜に少な目の紅ショウガが私の好みです。

 

ラーメン食べて、お水もたくさん飲んで、少し頭の靄が晴れてきたところで、やはり全然暇なので、なにか文化的なことをしようと思い紀伊国屋のほうへ向かいましたがその手前にブックオフがあったのでなんとなくブックオフへ足を向けます。

歩きながら携帯を見ますと、昨日から赤く表示されていたLINEの未読メッセージ数がとんでもない数字に膨れ上がっていたので怖くて見ないことにしました。既読スルーするぐらいなら、未読のままでぜんぜんかまいません。

 

 

ブックオフで、絲山秋子の名前を探しました。

新宿の本店でもあります紀伊国屋と比べ、やっぱり服装がどことなく小汚く思えるブックオフのお客の間を、考えてもみれば私の服装も小汚ないと言えなくもないのかなあ、などと思いつつすり抜けながら探しました。

 

 

『逃亡くそたわけ』 

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

  

 えらいタイトルやなあ、と思いつつ買いました。これで200円でした。

 

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大好きな絲山さんをどこで読もうかと考えたのですが、

「ジョナサン」「タリーズ」「ルノアール」「コンテナカフェ」「純喫茶楽屋」「名曲喫茶ランブル」「椿屋珈琲店

候補はいろいろとあるのですが、ジョナサンはいろいろトラウマがあるので避けることにします。いろいろ迷い、「名曲喫茶ランブル」に入店しました。ブレンドをオーダーし、読書派として、何人たりとも私の読書の邪魔はしてくれるな、的なオーラを醸し出しつつ文字に視線を落としました。

名曲喫茶と言いながら、お店のBGMは小さく、隣の人の声はよく聞こえますが、幸いにもうるさい輩はいなかったので集中でき、日曜の午後と読み終えていないページの厚みを確実にすりつぶしていきました。

 

 

『逃亡くそたわけ』

さすがは直木賞受賞候補作。

完全に面白い。

登場人物が精神病棟に入院している躁うつ病患者の二人という時点で、一人で苦しむ二日酔いにシンパシーがぐいぐいと来るのです。逃亡。人生において、一度全力で逃げてみることもある意味有意義なのかもしれません。すばらしいエンターテイメント作品。

 

 

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先ほどまでの読書でちょっといい気分になったところで、お腹が空いてしまいました。

 

 

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ビフテキ屋あづま」の『ハンバーグステーキ』を食べました。ハンバーグからは、幸せの味がします。

 

一人暮らしでハンバーグを作ってはいけません。なぜなら、一人分のハンバーグを、一人でこねて、ペチペチと中の空気を抜いて、デミグラスソースつくって、完成して、

 

「さーあできたぞぉー」

「わーい(*´▽`*)」

「おいしそーーう(*^▽^*)」

 

の「わーい」とか「おいしそーーう」の部分の人がいないと、辛いから。好物なだけに余計に寂しくなるからです。

「はい、おまちどうさま」

店員のおばちゃんありがとう。

ハンバーグは、人から人へ温もりを運ぶもの。

ハンバーグは、自分で作って自分で食べてはいけない。

ハンバーグは、人のために作るもの。

ハンバーグは、人に作ってもらうもの。

ハンバーグは、そんな崇高な存在なのであります。

 

 

19時半になりました。

 

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そしてビフテキ屋あづまを出てすぐの新宿末廣亭へ向かいます。

7時を回るとたった1500円で入場ができ、さらに今日のトリは柳家さん喬師匠です。

私は末廣の木戸をくぐりました。

 

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私が好きなのは桟敷席。

結構込んでました。たっぷりとさん喬師匠の『棒鱈』の名演を聞き、地方と都会の罵り合いというものは、どうやら江戸時代以前からの永遠のテーマのようで、そりゃ『月曜から夜更かし』流行るよね、などと思いつつ寄席を後にしました。

 

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花園神社へ向かいます。花園神社はこの地域を統べる氏神様でいらっしゃるので、私は折に触れお参りすることを忘れません。

 

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お参りを済ませたら、ゴールデン街で、今日も飲むのです。ゴールデン街は花園神社の裏っ手です。

 

 

「いらっしゃい」

「どうも」

 

今週末初めての、人との会話らしい会話でした。この一言で、ああ、今日一日はなんと有意義だったのだろう、という実感がジワリと心に満ちてきます。ここまでの孤独に耐えた苦労が報われる瞬間でした。

 

「ビール、いただけます?」

「はいはーい」

 

今週末2度目の有意義な会話をしたところで、私は満を持してラインの未読メッセージをみてみることにしました。

 

「あっ」

 

思わず声が漏れました。すごい数の未読メッセージはグループラインで、

「みんなで高尾山でーす☆ ちょっと肌寒いけど、ビールがマイウー♪」

とありました。

私も一応呼ばれていた模様でした。

 

「はーい、お待たせしましたビールでーす」

「どーも」

 

今週末3回目の有意義な会話をしつつ、いやまて、もし仮にホイホイとこの輪に入ってちょっとまだ寒かろう高尾山くんだりまで出向いたところで、私の嫌いなアイツや、苦手なコイツもいるわけで、果たしてうまく立ち回れたか、そんな寒いところで苦虫をかみつぶしつつ飲む缶ビールが美味いのか、こうして人と話しながらジョッキで飲むビールが美味いのか。新宿から高尾山までの電車賃を考えたらここのチャージ代なんて安いし、ここでの会話はいつも聞いたことのない話ばかりで有意義で、などと自分を納得させる言葉を脳内に敷き詰め、それをビールでどこかへ押し流し、朝起きてから日が暮れるまで、全く誰ともまともに話すこともなく、一人で、完璧なまでに文化的で(小説とか)、教養溢れる(寄席とか)、有意義な(今の会話とか)一日をこの新宿だけですごしきった自分をほめてあげたい。

 

 

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ゴールデン街は最高だ!

 

と思った、ある春の一日でした。