ニッポンたのしい。

楽しそうなことを求めて日々右往左往するさまを無様に綴ります。

新卒採用面接など茶番だと証明してみる

『ありのままのあなたを話してください』

『あなたの本音で話してください』

 

なんて、その昔、新卒採用面接時に面接官に言われたことがあります。

 

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「えっ?本当にありのままの私でいいんですか?」


そのとき私はそう思ったものでした。

しかし、当時のありのままの私なんてひどいものです。

 ①そもそも働きたくない

 ②全く働きたくない

 ③全然働きたくない

 ④どう考えても働きたくない

 ⑤でも生きるためにはお金が要り様なので働くしかない

以上を足して五で割った感じでした。

 

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いまでも折に触れ、思います。

マジでありのままで面接していたらどうなっていたのでしょうか。

 

 

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面「面接を始めます。まず、あなたの人となりを知りたいので、ありのままのあなたを私に伝えてください」

私(クズ)「本当にありのままの私でいいんですか?」

面「はい」

私「後悔しませんか?」

面「は?」

私「わかりました」

面「もちろん私も本音で話しますので、お互い本音ベースでいきましょう」

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面「では、まず『自己PR』をお願いします」

私「はい。私のPRポイントは、三点あります。

 

1.無意味に燃やす圧倒的、情熱

2.インドアマインドからくる驚異の、精神力

3.怠け疲れることのない驚愕の、タフネス

以上の三点です。

 


その1.情熱

私の情熱は、誰にも劣ることはありません。

かつて私は、荻窪西友でママチャリ買って、そこから愛知県まで走破したことがあります。歴史小説にハマって大学図書館司馬遼太郎全集全六十数冊読破しました。鉄道にハマり、始発から終電まで鈍行に乗り続けて東京から下関まで行ったことあります。シマヘビ、マムシ、カエル、スズメバチも食べました。

そうした無意味なことにこそ燃える情熱、それが私の強みです。

あ、勉強とかバイトとか、そういう有意義なものには燃えてません。悪しからず。



その2.精神力

二か月程度なら平気で家に籠れます。一歩も外に出ません。

Amazon楽天があれば生きていけます。何も苦になりません。下界を遮断し、誰とも口をきかないまま太宰治桐野夏生を読みふけるのが私にとっての至福のときです。この間、メンタルはびくともいたしません。

そうした能力を存分に発揮すべく、永遠の在宅勤務希望です。



その3.タフネス

かつて、敬愛する百間先生は、なまけるには体力がいる、と仰いました。

しかしどうでしょう。私に関しましては、いっさい疲れるということを知りません。何日でも寝ていられます。私は怠けるために生まれてきたのかもしれません。生まれながらにしてこの怠惰に対するタフネスさ。「タフネス!」と、ニックネームでお呼びいただいても構いません。タフネス!



以上、情熱、メンタリティー、タフネスの三点が私のPRポイントです!」


面「ありがとう。あなたはなかなかの、クズ、ということでいいね?」

私「異論のないところです」

 

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面「では続いて、弊社への『志望動機』をお聞かせ願えますか?」


私「はい。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、と申します。文字通りの意味にはなりますが、いまそうして手当たり次第に受けているうちの一社が御社になります。御社のような専門商社は世に腐るほどあり、扱っている商品が何だろうと別にどうでもいいと思っています。そこそこ仕事して定時に帰れてそこそこ給料がもらえれば、会社なんてどこでもいい、というのがありのままの気持ちです。」

面「わかりました。本当に、ありのままですね」

私「はい。私は茶番や嘘は嫌いです。ありのままの自分をお伝えしています。さらに言うならば、早く面接切り上げて、家帰って『戦国ランス』の続きをやりたい、と今、思っているところであります。正直、働いたこともない学生の働く意欲なんて聞いても有意義な会話になるとは思えませんが、その点如何お考えでしょうか?」

面「私もいま、こんなくだらんこと早く切り上げたいと思っているよ。仕事だって残っているんだ。早く仕事片して、君のせいで溜まったイライラを風俗でパッとウサ晴らししたい気分だよ」

私「恐れ入ります」

面「いえいえ、こちらも仕事なので。やりたくもないことやってお金もらうのが仕事なのでね」

私「ドン引きです」

面「私もだよ」

面・私「はっはっは!」


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面「さて、こんな面接などもう終わりにしたいと思いますが、最後に何か聞きたいことは?」


私「本音ベースのお話になりますが、働くのは楽しいですか?」
面「楽しいときもある。しかし、ほとんどは辛いことばかりだな。少なくとも、いまは辛いな。こんなクソみたいな面談内容を、どう体裁を整えて報告書に書けばよいのやら困り果てている」

 

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私「それならば一つ、わたくしからご提案をさせていただいても、よろしいですか?」

面「なにかね」
私「一つご提案なのですが、私を、次の最終面接へ導いていただけないでしょうか」
面「……なぜだね?」
私「理由は簡単です。お互いに『WIN-WIN』だからです」
面「……どういうことだね?」
私「簡単です。私はこの会社に入り、あなたに死ぬ気で仕えます。あなたほど気心の知れる先輩は他にいませんからね。そしてあなたは私という優秀な手駒を自由に使うことができる。私の論理的思考性は既にあなたも知るところでしょう。素晴らしい話ではありませんか?」
面「……君は無駄なことにしか情熱を燃やさないと言ったはずだ。仕事に情熱を燃やす部下でないと、使い勝手が悪くてね」
私「私が仕事に情熱を燃やさないと、誰が決めたのですか?」
面「……どういうことだ?」
私「私の活躍は、あなたの存在そのものによって逆説的に証明されているのですよ!」
面「な、何がだね……」
私「仕事なんて、まじ、くだんねえと。貴方を見て、私は確信しました。そして私の特殊な情熱は、そう、そうしたくらだないものにこそ燃え上がるのです!」
面「……!?」
私「ふふふ。ようや気づいたようですね。この下らない御社だからこそ、私は光り輝くことができるのです! そして私のその輝きの光を受けて、あなたも、月のように光り輝くことになるのです! さあ!  私を! 最終面接へいざないたまえ!」

面「……帰りたまえ」
私「え?」
面「帰って。意味わかんない。」
私「やっぱそっすよねー」
面「うん。帰って。」

 

新卒採用面接って、インターンすらしたことない学生に働くイメージや何故その会社で働きたいかなんて聞かれたところで想像でしか答えようもない。茶番。

もちろん、会社側も同じようなこと思っているとは思いますが。お互い茶番の演じ方が分からずに困っているのではないでしょうか。そうであれば、仕組みを変えるほかありません。

 

 

◆新卒一斉採用の廃止

 戦後の人材不足に、東北から休田期に一斉にやってくる農村の次男三男をまとめて工場労働者として刈り取った名残がいまの『新卒一斉採用方式』と聞いたことがあります。そのスキームにほころびがこの茶番劇でしょう。

 通年で採用すれば良い。実情として海外ではそのようにしているのだから、通年採用制に何の問題があるのかが分からない。経団連が四苦八苦して毎年就活開始時期をちょこちょこ変えたりするのならいっそ普通にポジションごとに通年採用かけるよう号令をかければいい。

 

◆本格的なインターンの導入

  スキームは、常に新しくブラッシュアップしていくべきだと思います。しょーもないグループワークを一日二日やるとか、やっても一週間とかそんなくだらない茶番ではなくて、賃金が発生する本格的な数か月単位のインターンを導入すればいいと思います。

 働くイメージわきますからね。それでこの業界は合わないなと思えば、ほかの会社にインターンに行けばいいだけのお話。よっぽど合理的で効率的だと思います。

 そのインターン経験をもとに採用なりなんなりを判断すればよい。永遠にインターンとして安く使われるのもどうかとは思いますが、期限の上限などある程度の規制設けつつも、補って余りある「ミスマッチの減少」というメリットはあると思います。大手企業さんは、リクルートマイナビに払う莫大な費用が浮きますよ? その浮いたお金で新規事業でも立ち上げれば?

 

◆≪通年採用+インターン≫の組み合わせで、企業と学生の「WIN-WIN」を

 当時、取り繕った当社比300%モリモリの自分をあたかも事実であるかのようにご説明申し上げ、内定をいただいたのは今となっては良き思い出です。不幸な話です。

 学生だって、さあ●月だから就活で、スーツ買って、自己PRを机の上でひねり出して、なんていうのは無益です。

 新卒一斉採用なんかしてるから、夏休み以外の長期インターンができない。インターンをしないから、入社後のミスマッチが起きる。この負の連鎖。年間を通じてインターンを受け入れればいい。また、在学中にこだわる必要もないと思います。卒業後にやりたいことがあるならそれをしてからインターン先を探せばいい。

『豊富な人材』『人材の国際性』『ダイバーシティ』なんて美辞麗句を並べるのなら、≪通年採用+インターン≫ の組み合わせを考えればいいと思う。

 国民の幸せを思うのならば、政府や、経済産業省もそうした提言をすればいいと思う。

 

ま、働き始めてからも茶番ばかりですけど、

せめて最初くらいは、茶番は止めにしてもいいのでは。

 

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